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辻村深月 島はぼくらと【感想】

 

これはとっても辻村深月だ。

でも、今までの辻村深月じゃない。

 

ライターの瀧井朝世さんの感想です。

 

 

普段の辻村作風は、

若者の著しい感情の変化の中で

少しダークの一面が見えたり

人間なドロドロした部分が見える

作品が多いですが、

この作品は、

本当に爽やかなものになっています。

読んだ後にこんなに爽快感を感じる

小説は初めてでした。

 

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あらすじ

文庫本背表紙より、

瀬戸内海に浮かぶ島、冴島。

朱里、衣花、源樹、新の四人は

島の唯一の同級生。

フェリーで本土の高校に通う彼らは

卒業と同時に島を出る。

ある日、四人は冴島に「幻の脚本」を

探しに来たという見知らぬ青年に

声を掛けられる。

淡い恋と友情、大人たちの覚悟。

旅立ちの日はもうすぐ。

別れるときは笑顔でいよう。

 

60年も昔に火山の噴火により

人口が激変するも、

積極的にIターン、Uターン民を受け入れ、

活気を取り戻しつつある瀬戸内海の冴島。

 

この島で暮らす4人の高校生の視点から、

島民の生活、人間関係などが

4つの章に分かれて描かれています。

 

Ⅰ.幻の脚本

この物語の主人公、

朱里衣花源樹の4人は

島から本土の高校に通うため

毎日片道20分かけ

フェリーで通学している。

 

いつも通りフェリーで学校から帰っていると

冴島にあるとされている「幻の脚本」を

探しに来たという、

怪しい青年、霧崎ハイジに声を掛けられる。

 

そこから冴島に滞在し、脚本を探すために

党内嗅ぎまわる霧崎に4人は

不信感を募らせていく。

 

幻の脚本など存在しないと考える

朱里ら4人は、演劇部に所属し、

趣味で脚本も書いている新の作品を

霧崎に渡し、追い払おうとたくらむ。

 

果たして、この嘘は霧崎に通用するのか。

そして、「幻の脚本」は存在するのか。

 

Ⅱ.元オリンピックメダリストの苦悩

島にIターンでやってきた

シングルマザーの多葉田蕗子

実は、元競泳選手で

オリンピックメダリストでした。

 

そんな蕗子が競技から離れた理由、

隠された意外な過去が描かれています。

 

そしてこの章では、

Webデザイナーとして

Iターンで島にやってきた

若い青年、本木の島に来た理由、

冴島がシングルマザーの島と言われている

積極的な取り組みの話、

独自のデザインでつくられた

母子手帳の秘密など、

本編とは違う、物語にリアリティを持たせる

細かい設定も深ぼりされています。

 

Ⅲ.島民と村長の確執

 島には、島内でとれた魚などを

本土で加工商品として販売する会社

「さえじま」があります。

 

この会社を本土に売りこんでくれるのが

プロセスネットで働く谷川ヨシノ

という女性ですが、 

彼女が、全国ネットの

スペシャリスト」というテレビ番組で

「さえじま」の会社とともに

特集されることになりました。

 

島の会社を全国で知ってもらえると喜ぶ

島民たちですが、このテレビの特集を巡って

島民と村長がぶつかります。

 

この作品唯一のダークな部分

今までいい人と思っていた村長の

裏の顔、汚い一面が見られます。

 

このままでは、みんながバラバラになってしまう。

このまま「さえじま」はどうなってしまうのか。

 

そしてこの章での中心人物であるヨシノは

のちに辻村作品ファンには嬉しい

あの人物と繋がっていることがわかります。

 

Ⅳ.網元の娘

この章は、朱里の祖母が若い頃

島の火山の噴火によってしこりを残したまま

離れ離れになってしまった古い友人

千船碧子さんを探すため

碧子さんが島を離れて移り住んだとされる

東京で修学旅行を抜け出し

手掛かりを探す4人の話が中心です。

 

その中で、あと1年で離れ離れになってしまう

4人の細かい感情の描写なども描かれています。

 

ⅣではⅠ~Ⅲでの細かい伏線が

綺麗に回収されていて

「あー!なるほど!!」

となる場面が多いです。

 

そして辻村作品ファンには

嬉しいサプライズも!!

 

感想

冒頭でも1度お伝えしましたが、

本当に爽やかな作品です。

 

高校生の淡い恋愛観、

島民ならではの生活感、

Iターン民の苦悩など

本当にリアルに描かれています。

 

そしてⅣでの嬉しいサプライズですが、

辻村深月スロウハイツの神様

登場する脚本家、赤羽環が出てきます。

 

こうやって他の作品と設定やキャラが

リンクするのが 、

辻村作品の楽しみの1つです。

 

この作品単体でも十分おもしろいですが、

スロウハイツの神様」を先に読むと

より楽しめるのではないでしょうか。

 

こんな方にオススメ

 

 

ぜひ、気になる方は読んでみてください。

 

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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